【短】雨宮さん家の大型犬


「んふふー」

「しーちゃん、今度は何…?」

「学校にいる時も好きだけど、こうやって一緒に登下校出来るのっていいよねぇ…」


でれー…


折角のイケメンを、崩しに崩しまくってそう笑う静人。
それは、他の人にダサいと言われたらそれで終わってしまうけれど…。
私的には、贔屓目も相まってキラキラしてると思ってしまうのだから、終わってるのかもしれない。


「しーちゃん、好き」

「えっ!わー!俺も俺もー!」


ぶんぶん!


スーパーで沢山買った荷物もなんのその。
静人の(見えない)尻尾が最大限にあちこち振り回る。


目を輝かせて、私を見つめてくる静人に、胸がきゅうんとしてしまう。

「まて!」

とか、

「おすわり!」

なんてつい言ってしまうけれど、結局最後には甘く許してしまう訳で…。


「くすくす。しーちゃんには敵わないなぁ」


そう微笑んだら、ぽかーんと口を開けた静人。
そして、私がどうしたの?と言う前に、わなわなと体を震わす。


「?」

「もー!あこちゃんてば!早く家帰ろ!」

「ちょ、ちょっと…しーちゃん?!」

「早く二人きりになりたい!」

「ば、ばか!」



そう言いながら、私はきゅーっと優しく掴まれた手首に負けて、そのまま足早に家へと向かった。