【短】雨宮さん家の大型犬


「あこちゃん!手ぇ繋ご?」

「いいよ?」

「えへへー…あこちゃんの手ちっちゃくて好き」


すりすり


そんな甘い言葉と共に、私の手を自分頬に寄せて幸せそうな顔をする、静人は殺人的に格好いい。


「ねぇー?」

「んー?なぁに?あこちゃん…?」

「しーちゃんは私のものだよね?」

「な、何?いきなりー?!」


ぼわっと顔を赤くする静人に、スーパーのカゴを持たせて、私は野菜コーナーに向かいながら、そんなことを問い掛ける。


「俺は何時でもあこちゃんのものだよ?!」

「ほんと?」

「ほんと!あっ!ピーマンは入れちゃだめ!パプリカならいいよー?!」


私が手にしたピーマンを素早く元ある場所に戻して、その近くにあったパプリカをカゴに放り込む。

「もー…好き嫌いなく食べないとー…って似たようなもんじゃん。ピーマンとパプリカは!」


そう言いつつも、私は静人が入れた赤のパプリカの他に、黄色のパプリカもカゴに入れる。

すると、にぱっと静人の顔がまた笑顔になった。


「なぁに?しーちゃん?」

「いま!今、あこちゃんと俺どっから見ても新婚さんだったよね?!」


ギューッと繋いだ手に力を入れられて、ちょっと恥ずかしくなった私は、肘で静人のお腹を突いて、小さく「ばか」とそう呟いた。