【短】雨宮さん家の大型犬


「んもー!あこちゃんのばか」

「なんでよ、失礼な」

「あこちゃん、本気でモテるんだから、いっつも気を付けてって言ってるのに…」


と、ブツブツ文句を言う静人が愛しくて、私はくすくすと笑い掛けると、こう告げた。


「しーちゃんのばぁか。でも好き」


わしゃわしゃとくせ毛の髪を撫でて、きゅうっと抱き着くと、静人はぎゅっと抱き締め返してくれる。

それが、凄く嬉しくて私の機嫌は更に良くなる。


「ねー?しーちゃん?今日何食べるー?」

「カレー!あこちゃん特製カレー!」

「しーちゃん、好きだよね〜」

「あこちゃんの次にね!」

「もう!」


そんな会話をしながら、昇降口に行くと見知らぬ女の子が立っていた。


「あの…窪田くん…」

「なに?今ね、あこちゃんと帰るとこだから短めにしてね?」


その一言に対してムッとした彼女は、私を睨め付ける。


感じ、悪いなぁ…。


そう思っていると、静人がスッと自分の背中に私を隠した。


「…あのさ、文句あるなら、あこちゃんに言うんじゃなくて、俺にしてくれる?」


………静人、こういうとこ、ほんとに格好いい。
何時もはお馬鹿キャラなのに。