【短】Candy Girl

「めっちゃ牽制掛けてたっつーか。沙穂、無自覚できゅんポイント振り撒くから、気が気じゃなかったっつーか」

「……はぁ?」

ウェーブした髪を指でくるくる弄りながら、背の高い祐介の顔を覗き込もうとすると………。


「……ん……って、やめてよ!」

「なんで?」

「なんで?なんでって聞くの?!信じらんない!マジ最低!」

好きとも言われてないのに、ファーストキスもセカンドキスも奪われてしまって、あたしはプイッとそっぽを向くしかなかった。

「ウソだよ。さーほ。こっち向いて?」

「もー…祐介なんか知らない」

「俺は沙穂が好きだよ。これ、マジな?」

「………ばかっ」

「いい加減、言って?好きって」

「やーだ!」

「じゃあ…言ってくれるまで…キスする」

「ちょ、ちょ…んん…っ」