佐恵子にそう言われて、あたしは自分の頬を両手で包み込んだ。


「ねぇ佐恵子。信じてくれなくてもいいから、あたしの話を聞いてくれる?」


「もちろん。なに?」


「あのね……」


あたしは昨日見た夢の話を佐恵子に聞いてもらった。


今朝起きてから自分の小指に赤い糸が見えることも。


話をしている間に、佐恵子の目が再び輝き始めた。


「嘘……それって夢の中で参拝したってことじゃないの!?」


「佐恵子、声大きい!」


慌ててそう言い、周囲を見回す。


まだホームルーム前で教室内は騒がしく、幸い目立っていなかったようだ。