さっき食べさせられたときはドキドキしすぎて、味なんて全然わからなかった。


もぐもぐと、数十回口を動かしたあと、おかゆを飲み込む。


そして、その十数分後、おかゆが盛られた器が空になった。


「あー、おいしかったです。


また風邪をひいたときは、同じもの作ってくださいね」


「あぁ、作るよ」


翔さんが嬉しそうにはにかむ。


自分が作ったおかゆがおいしいと評価されて、満足しているのだろうか。


満足だよ、十分満足です。


ふふっと笑い、布団の中にもぐり込んだ。


「おかゆ、ありがとうございました。


じゃあ、私は寝ますね」


「…………」


「お、おやすみなさい!」


仰向けの状態で目を閉じ、眠ろうとする。