アブナイ王子様たち

「い、いや、食事も自分ひとりでできますよ。


だから、もう二度とあんなことは……」


うっ。


口移しの場面が、再度頭の中で再生される。


きゃーっ、想像しただけで倒れちゃいそう!


両頬に手を当てて、熱を冷まそうとする。


しかし、風邪をひいているためかなかなか熱が冷めない。


と。


「……なに?


あんた、もしかして、俺の口移しにドキドキしたの?」


うっ!


翔さんに、ドキドキしてたことがバレた!


今でもドキドキしてることまでバレなきゃいいんだけど……。


「そ、そんなわけないじゃないですか!」


「とか言って、嬉しいと思ってんじゃないの?


もっとやってくれって顔してる」


うっ、意地悪な顔……。