アブナイ王子様たち

ドキドキが止まらなくなり、体温が上がっていくのを感じる。


力が抜けてく……。


足の力が抜けそうになったと同時に、翔さんの手が私の額から離れる。


そして、ボソッとつぶやいた。


「……熱あんな」


え……?


今、なんて言ったの?


よく聞こえなかった。


もう一度言ってほしい。


聞き返そうとしたが、できなかった。


洗濯ものをかごの上に置いた、翔さんにいきなり抱きかかえられたから……。


「ひゃ……っ」


まさか、男の人にお姫様抱っこされるなんて。


その相手が好きな人……。


女の子だったら、一度はされてみたいこと。


その願いが今、叶うなんて……。


「し、翔さん……っ」


「なんだよ」


「だ、大丈夫ですよ、おろしてください」