3人にそう言ったあと、今度は悟さんのところまで歩み寄る。


「悟さん、なにを作ってるんですか?」


悟さんは、ひとり用の小さい鍋に具材を入れて、なにかを作っているみたい。


けれど、それがなにかはわからない。


「おかゆだよ。


風邪をひいたときには、やっぱりこれでしょ」


おかゆか。


私が体調を崩したとき、メイドさんにおかゆを作ってもらって、食べさせてくれたっけ。


「これが完成したら、匠くんのところに持っていくんですよね?」


「うん、そうだよ」


「それ、私が持っていきます!」


「えっ……」


悟さんが驚きを隠せない表情をする。


だけど、私は表情を崩さなかった。


「私は、この家のお手伝いさんですよ?


おかゆを匠くんのところに持っていく役目は、私にまかせてください!」