アブナイ王子様たち

嘘……追い詰めたと思ったのに……。


翔さんに向けた人さし指を、ぷるぷると震わせることしかできない。


「俺は、思ったことを言っただけだよ。


嘘なんて言ったことねぇし。


ましてや、匠に対してはな」


「…………」


「ていうか、俺とあんたが口ゲンカしてたら、匠がイチャイチャしてるって思うのは、無理もないだろ。


あいつ、男と女が口ゲンカしてるとこを見るだけで、イチャイチャしてるって思うからな」


私と翔さんが口ゲンカをしていたっていう自覚はあったんだ。


匠くんの前では、ニコニコとした笑顔を浮かべていたけれど。


「まぁ、いいんじゃね?


俺、風邪うつりたくねぇし、早めに避難してよかった。


あんたも風邪ひきたくねぇだろ?


俺に感謝しろよ」


「す、するもんですか‼︎」


翔さんは、いったいどこまで私を狂わせたら気が済むんだろう。


全然わからないよ……。