アブナイ王子様たち

ほっ、よかった……。


どうやら本当に風邪を治したいようだ。


よかった、匠くんが『寝る』って言ってくれて。


もし、まだ粘ってたら、匠くんの風邪を余計に悪化させちゃうだろうし……。


匠くんが、自分の部屋に向かう。


再び掃除機を取りに向かうが、匠くんの言葉に引き止められた。


「あっ、愛海も部屋に来てくれない?」


「えっ?」


私も?


でも、私は、お手伝いさんとしての仕事をしないといけないんじゃ……。


「匠くん、あとで……」


「いや、今すぐ来て」


今すぐ⁉︎


匠くんが私に、部屋に来いって言ってる……。


しかも、今すぐにと……。


ここはうなずいておこうか。


「……わかった」


渋々といった様子でうなずき、匠くんのうしろ姿を追いかける。