アブナイ王子様たち

今、なんて言ったの……?


翔さんの今のつぶやきは、私の耳にあまり届かなかった。


ま、いいか。


また私に、意地悪なことを言ったのかもしれないし。


なんて言ったのか、聞かなくてもいいよね。


と思った次の瞬間。


「あっ!」


ドキッ!


海に向かって走っていたはずの誠さんが、こちらにやってきた。


な、なんでこんなタイミングで来るの?


しかも、水着を隠していたパーカーのファスナーが開けられた直後に……。


これをバッドタイミングと言えばいいのか……。


パーカーで自分の露出を隠すひまなど与えることなく、誠さんが嬉しそうな顔でこう言った。


「愛海ちゃん、その水着、可愛いね!


すごく似合ってるよ!」


あぁ、誠さんに水着姿を見られてしまった……。