アブナイ王子様たち

カーッと、頬に帯びる熱がさらに上がる。


「どこって……あんたの胸だよ」


そ、そんなわかってることを堂々と……。


「そ、それはわかってますよ!


なんで水着じゃなくて、胸を見るんですか!」


バッと胸を両手で隠す。


それに対して、翔さんはニヤッと笑う。


「男だったら普通、水着のほうじゃなくて、胸のほうを見るっつーの。


男ってのは、そういう生きものなんだよ」


どういう意味⁉︎


まったくわからないんですけど!


「胸見るなんて、変態じゃないですか!」


「べつに変態じゃねぇよ、普通だろ」


どこが!


翔さんのニヤニヤ顔、やっぱりムカつく!


なんて思っていると、突然、翔さんがボソッとつぶやいた。


「……けっこう似合ってんな、その水着」


えっ……?