翔さんに対するムカつきが消え失せ、疑問が心の中を支配していく。


いったいどんな内容なんだろう。


「どんなことが書いてあるんですか?」


背伸びをして、翔さんが手に持っている手紙を見ようとする。


翔さんは、そんな私に目を向けることなく、私に手紙を渡す。


やっとで手紙を返してくれた、という安堵感と、あっさり返すなんて、という驚きがやってくる。


ゆっくりと手紙を読んでいく。


【愛海ちゃん。


今日も可愛いね。


いつも可愛いけど、今日はいちだんと可愛く見えるよ。


君を近くで見たことはないけど、遠くから見たことはあるよ。


だから、君の可愛さはわかってるんだ。


どうか、僕の手の届く存在になってほしい。


君なら、わかってくれるよね……】