BLACK TRAP ~あの月に誓った日~


美愛に電話をかけても全く繋がらなかったため、焦りが募る。


「小野寺理希さんの後を追いかけて行ったとか……?」


私のつぶやきに、相原さんが反応する。


「もしかして、理希の知り合い?」

「あ、私じゃなくて。美愛っていう、今見失った友達が理希さんと知り合いで」

「……ミアちゃん?」

「俺、聞いたことある。理希が文化祭に呼ぶって言ってたな」

「理希の大切な子……ってことか」


相原さんはスマホの画面を確認し、早口で続けた。


「私、もうすぐ当番だから教室に戻るね。ついでに3―5に行ってケイに聞いてくる。その子の情報が入り次第、椎名君に連絡入れるから」

「ああ、頼んだ」


途中までついて来ていた相原さんは、手分けして捜すことにしたらしい。

上の階へ駆け上がっていった。



彼女の姿が見えなくなった瞬間。

美愛の行方が気になりつつも、もう一つ気がかりなことがあった私は、我慢できずに尋ねていた。


「あの。小野寺理希さんと、さっきの女の人……どういう関係なんですか? 付き合っているんですか?」