「……わかった」

「皇世、頼んだよー。七瀬もよろしくね」


手を合わせる美愛はすっかり恋する乙女になっていて。
ある意味羨ましかった。


考えてみれば、私も佐々木海里に会えるチャンスなのだけど。

美愛ほど純粋な気持ちでドキドキしたり、好きな人のことを想像して胸を膨らませたりする経験はなかった。


だから……、私ももし佐々木海里に会えたら。

美愛みたいに本当の恋ができるのかな、とほんの少し淡い期待を抱いていた。