と、そのとき。


下からインターホンが鳴る音がして、慌ててベッドから起きあがった。


今日はお父さんとお母さんが仕事でいなくて、私ひとりだ。


だから、家に誰かが来れば、私が応対に出なければならない。


階段を下り、玄関のドアを勢いよく開けた。


ドアの先にいたのは、私服姿の沙織だった。


「沙織?


どうしたの、休みの日に」


「えへへ。


なんか、理央ちゃんの顔が見たくなっちゃって」


舌を出して「てへっ」と言う沙織。


どうやら本当に私に会いたかったようだ。


笑顔の沙織を見ていると、見ている私まで笑顔になる。