沙織のプライドをへし折ってから、沙織を殺す。


そうしなければ、私は沙織に殺される。


そう思ったとき、沙織がお腹を抱え、大声で笑いはじめた。


「な、なにがおかしいの?」


「え〜?


だって、そう言う理央ちゃんも狂ってたから」


狂ってた……?


私が……?


「理央ちゃん、最初はお試しで使ってみるって言ってたじゃん。


でも、使いはじめてどう?


人が変わったようになっちゃったじゃん」


人が変わったようになった?


「どういうこと?」


「【人間消去アプリ】を使いはじめる前までは優しかった理央ちゃんが、使いはじめてから人を殺すことをためらわなくなったよね」