よかった。


沙織、今日は学校に来てくれるようだ。


ほっと胸を撫でおろし、学校指定カバンを肩にかけて部屋を出る。


キッチンに寄り、冷蔵庫の中からヨーグルト味の蒸しパンを食べる。


蒸しパンを食べ終えたあと、すぐに家を出た。


学校に向かって歩いていく。


おばあちゃんが死んでからずっと私を避けていた沙織が学校に来るというだけで、嬉しくなる。


スキップ混じりで歩いていると、数十メートル先から近くの女子校の制服を着た女の子が現れた。


もしその子が知らない人だったら、私はスルーしていただろう。


だが、スルーできなかった。