「おーい!新島ー!なんか呼び出されてるぞー!」

「えー?奥山センセーかなぁ?嫌だなぁ〜」

「違う、違う。他のクラスの奴じゃね?俺名前知らねぇけど」


そう言われて、疑問を持ちつつも眠ってしまった彼の席から離れようとした時…。

ほんの一瞬、それは多分刹那の間のこと。

私の小指を彼が掴んだ。

それもきゅっと…。
まるで、『行くな』と言わんばかりに。


「…っ?!」

「新島ー?外で待ってるぞー?早く行ってやれよ〜」

「わ、分かった!待って!」


思わず掴まれた小指を胸元に抱き締めて、私は廊下の方へと走り出した。


多分、私…今顔真っ赤だ…っ。