【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…

私は耳元を押さえて、門の前で倒れそうになった。


「ほんと、なんなの?…きんじょー人格変わり過ぎ…」


そこまで呟くと、後ろからぽんっと肩を叩かれた。


「お前ら、家の真ん前で恥ずかしい奴らだな〜」

「!?は、はじくん?!見てたの!?」

「見てたの?!も何も、人ん家の前でもあるからな」

「…あー…ごめん。今どくね」


私はのんびりしたはじくんの口調に緊張が解けて、脱力すると、自分の家の敷地内に入る。

「お前、…あいつ。えと、金城だっけ?のこと好きなわけ?」

「ん…」

「そっか。まぁ、それならいいけど。…何かあったら言えよ?」

「うん!」

「じゃあ、また明日な」


ぽんっと頭を一度撫でて、はじくんはニカッと笑って家に入っていった。