【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…

「なっ…ふ、不意打ち!ずるい!」

「だって。聖月目瞑るから。ちゃんとキスしたの俺だって知ってて欲しい」

「…って、待ってよ!私まだOK出してな…」

「…いや?」

じっと、私の心の中を射抜くような瞳。
私は、かぁっとまた顔が熱くなるのを感じて、早口で答える。

「じゃないけどっ!」

「ならよかった…」

「もう…きんじょーはほんとずるい」

私は甘く痺れる口唇を指で押さえて、バカと小さく呟いた。