【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…

「だから、決めた。聖月…聞いて?」

「…う、ん」

「好き。付き合って…」

「…うん、うん…って…へぁ?」

あまりに突然の流れで、私は変な声を上げてしまう。

彼はそんな私の髪をぽんぽんと撫でた後、スッと顎に指を掛けた。
そして、そのまま整った顔が近付いてくる。


ヤバい。

私このままじゃ…。


そう思ってぎゅうっと目を瞑る。
けれど、やってくるかと思ったキスはなかなか降りて来ず、私は目をそっと開けた。


すると、その途端静かにキスをされた。