【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…

かたん


と、席に座ると黒板を消し終えた彼がすぐさま当たり前のように、すとんと私の前に腰を落とした。


「き、きんじょ?」

「聖月さ…俺、決めた…」

「な、なに?」

「もう…容赦しない、から」


そう言って、シャーペンを持っていた私の手を掴んで、髪を撫でてくる。


「え?な、なに?…なんなの?きんじょー?」

この先の展開が見えない私は、かなりテンパった状態になる。


でも、そんな私に構わず彼は言葉を続けた。