【短】溶けた氷はただの水に変わるけど…

そのまま無言の彼。
私を席に着かせると、そのまま近くの席に座り込んでしまう。


「き、きんじょー?」

「…んー?」

「なんか、怒って、る…?」


頬づえを付いて、私を見つめる彼。
その視線に尻込みしそうになりながらも、様子を伺ってみると、さっきのような圧力のある声で、

「怒ってない。…けど…」

「けど…?」

「ムカついた」


と、返ってきた。
当然私は訳が分からない。


「は?」

「ねむい」

もう、なんなの!?
振り回される私の身にもなって欲しい…。