「ちぇー…離れたくないー」

「叩くよ?凌…」

そんなことを言って、むくりと起き上がりローテーブルに置いてある眼鏡を探そうとすると、スッとその手を優しく掴まれる。

「ののか、今は俺がいるから掛けなくても見えるだろ?」

「あー…そうだったね、うん…そうだった」


ふぁーっとあくびを一つ。
そんな私に呆れることもなく、ベットから起き上がるのを手伝ってくれるのは、大切な眼鏡…銀髪の方…の将。

大人でとっても優しくて、うんと男前な彼が自分の眼鏡だったのかと思うと、ちょっと恥ずかしい気もしないでもないけれど……。