「のーのーか!のーの!」

耳に響く元気な声。

「うるさい……」

「ののか……起きて…?」

静かで耳に心地いい声。

「んー…」


ちゅんちゅん



スズメのさえずりが微かに意識の向こう側に広がっていく朝。

私は、ぎゅっと抱き締められている、いつもの状態ではっきりと覚醒する。


「しょーう。りょーう。…重い…。退いて…」

「おはよう、ののか。髪、ハネてる。かわいい」

「寝惚けてるのの、めっちゃかわいい!」

「…はいはい」

毎朝の儀式。
そんなやり取り。

左側に陣取るストレートのくせひとつないクールな銀髪&紺碧の瞳…。
そして、右側を陣取る栗色のくせっ毛が愛くるしい焦げ茶色の瞳…。

この状態で言えば、若い女の子が男二人と同じベットで寝てるなんて、不謹慎とか破廉恥とか思われるんだろうか?

でも、私の中ではどうやっても逃れられない…というか、失えない環境なんだ…これが。