「お前ら!何やってたんだよ!待ちくたびれたじゃないか!」


案の定、二人で手を繋いで本館のロビーまで行くと、桂木が想像通りに仁王立ちして待っていた……それに思わず笑ってしまう。
ほんと、お約束だよねぇ。


「えーっと…ちょっと、ナニを……」


「あ、あやちゃんっっ!?」


「うそうそ、ごめんね?しんじょー?」


「ばか」


質問に、事実を答えようとしたら、新條が慌ててオレの手を引っ張ってきて。
それが、可愛くて…かなり、顔が緩んでしまいそうデス。


「…。はぁ。あのな、いい加減にしろよ?いちゃいちゃすんのは構わないけど、俺の見えない所でやってくれ」


今日は、制服じゃないから、本当に引率の部活の顧問みたいな桂木。

オレや新條の頭にぐーが飛ぶことはなかったけども、
…まぁ、新條への攻撃はオレが食い止めちゃうんけど、ぶつぶつ文句を言われて、新條がしゅんとするのを見兼ねて、


「ごめんね?桂木?」


と、素直に謝った。