「ね?しん……」

「じゃ、じゃあ!負けた方がなんでも言うこと聞くってことで!……ね、勝負しよ?」


なんとか宥めようとするつもりが、朱莉サンからの素敵なお誘い。
そんなウルウルの上目遣いで見つめられて、しかもなんでも言うこと…聞く、なんて。
もう…ゲームのルールなんて耳に入ってないよ。
それじゃ、もう…何が何でも負けられないよねぇ?


「…分かった。じゃ、手加減無しね?」

「やった!負けないかんね!」


一応仕方ないって感じでそう言うと、嬉しそうに笑う新條。
オレが何考えてるのかなんて、きっと全然気にしてないんだろうなぁ……。
でも、ごめんね?新條。

この勝負、負けてあげないから。