「あ……」


真っ赤になってオレの手を更にぐいぐいっと引っ張てた新條が、不意にそう呟いて立ち止まった。
そして、その止まったままの新條の視線を辿っていけば、そこにはお約束と言えるような、小さなゲームコーナーと、卓球場。
ジッと見つめていた新條がオレの方を振り返る。
言いたいことはめちゃくちゃよーく分かるんだけど……。


「あやちゃん!卓球しよー?」

「だぁめ」

「っ!なんで!」

「なんでって…しんじょー、それ……本気で聞いてるの?」


ちょっと声のトーンを落として尋ねると、ウッと新條が口篭もった。
だって、折角の二人きりの時間なのに。
こんなトコじゃきっと朱莉サンは触らせてくれないだろうし。
色々これから予定もあるし、ねぇ?