新條に手を引かれるまま大広間を後にして。
ご機嫌なその様子を見ていると、オレもなんだか嬉しくなるから。


「しんじょー?すき、だよ?」


繋いだ手を離されないようにきゅうっと掴んで、少し前を歩いている新條に囁いた。
幸い他のお客がいないから、新條もコクンと頷いてくれて。


「私なんか、…あやちゃんにメロメロなんだかんね!」


そんな嬉しい言葉も返ってきた。
繋いだ手から、…紡いだ言葉から。
次々と溢れ出すのは馬鹿みたいに純粋な気持ち。
今だったら……ホント死んでもいいかも、ねぇ?
と、苦笑する。