と言うわけで、散々温まった後。
浴衣を着ようと悪戦苦闘している新條に自然と顔が緩む。
湯上り新條は殺人的な勢いで可愛くて。
ピンク色の項に、掠めるようにキスをした。
でも、ちょっと…ねぇ?



「新條…浴衣は寝るときまで取っておかない?」

「なんで?」

「んーそんな可愛い新條をオレ以外に見せたくないデス」

「ッばか!……じゃ、じゃあ!あやちゃんも!」

「オレも?」

「そう!あやちゃんも浴衣は寝るまで着ないでよ!」

「なんで?」

「…っ!?な、なんでって……」

「うん」

「あたしもあやちゃんの、そんな格好他のヤツに見せたくないもん…」

「……そっか。じゃ。部屋に帰ったらすぐ着替えよ?」

「…ん」


可愛すぎる新條の言動に、この場で押し倒したい気持ちをどうにか押し込めて。
オレは、風邪を引かせない為に、素早く新條を着替えさせると手を繋いで食事をする大広間まで歩いた。





まだまだ夜は長いけど…。
一秒ごとに新條の新しい顔を見ることができて。
そこに、また一つ恋をしてるオレ。
何回補給しても足らないから。
理由なんて付けずに、ただ接吻けさせて?