「え、本当に?」


梓はあたしの言葉が意外だったのだろう。


驚きながらも、嬉しそうだ。


「うん。行く」


1度行くと言ってしまえばもう心は固まった。


あたしは梓へと駆け寄った。


「あ、でもあたしお金……」


買い物に行くにしても、自由に使えるお金は少ない。


お小遣いはもちろん貰ってないし、お年玉の貯金はすべて叔母が管理している。


持っているのは夏休み中にしたバイト代の残りだけなのだ。


「大丈夫だよ、わかってるから」


梓はそう言い、あたしの手を握りしめて来た。


「え?」


それってどういう意味だろう?