胃からせり上がってくるものを押し込めることができない。


個室へ入り、鍵をかける暇もなく嘔吐した。


朝食べたものがすべて出てしまった気分だ。


「ちょっと友里!?」


すぐに追い掛けて来た梓が後ろから声をかけて来たので、あたしは水を流して振り向いた。


吐いたおかげで随分スッキリした。


「ごめん、ちょっと食べ過ぎたみたい」


吐いてすぐに調子が良くなるということは、きっと食べ過ぎが原因だ。


あたしは水道で口をゆすぎ、手を洗った。


「なんだ……ビックリした」


元気なあたしを見て梓は安堵したようにほほ笑んだ。