やっとたどり着いた。


恐怖よりも、そんな安堵感であたしの胸は一杯だった。


祠へ近づいていくと、地面に落ちていた鎖を踏みつけた。


元々鎖で周囲をグルリと囲まれていたようだ。


落ちた鎖を避けて祠の前で膝をついた。


この中になにがいるのだろう。


鎖でつながれる祠の主は誰だろう。


「お願いです……」


あたしは小さな声でそう言っていた。


両手を組み、祠へ向けて頭を垂れる。


「あたしを……助けてください……」


今までの暮らしが走馬灯のようによみがえって来る。


両親を亡くし、叔父と叔母に引き取られた日。