梓がどこまであたしの話を信じてくれるのかわからなかった。


正直、不安も大きかった。


あたしのしてしまったことが原因で、友達を無くすかもしれないのだから。


「大丈夫だよ。なにがあっても、あたしは友里の味方でいるから」


梓がそう言ってくれなければ、ソレの話なんてきっとできなかっただろう。


あたしたち3人は誰もいない叔父の家で、ソレの話を始めていた。


あたしが妊娠し、出産したことに梓は飛び上がりそうになるほど驚いていた。


「ソレが、叔父さんと叔母さんを食い殺したの?」


梓の質問にあたしは頷いた。


そのシーンを見たことも説明した。


しかし、問題はその後だった。


過去の事件でも、今の事件でも、ソレが願いを叶えた後から行方不明者が増えているのだ。


「田中君は、あたしが産んだソレが殺したのかもしれない……」


ソレは後型もなく人を食い殺す。


一滴の血も残さない。