「2人とも、何してんだよ」


廊下に出ていた透がそう声をかけてきて、ホッと胸をなで下ろす。


「なんでもない。じゃあ、また明日ね」


そう言って教室を出ようとすると、梓に手を掴まれて引き止められてしまった。


「友里はもうわかってるんでしょ? 1人で抱え込む必要はないって」


「梓……」


「それでも言えないことなら、もう首は突っ込まない。だけど、透と2人だけじゃ無理なことなら、あたしにも話を聞かせてほしい」


その言葉にあたしは透を見た。


透は軽くため息を吐いてあたしへ視線を向け、ほほ笑んだ。


「良い友達ができたよな」


そう言い、透はあたしの背中を軽く押したのだった。