そこで透がスマホを取り出し、当時の事件について検索してくれた。


《○○街で行方不明者相次ぐ!》


そんな記事と共に、当時いなくなった人たちの名前がズラリと並んでいた。


ザッと数えても20人はいそうだ。


「こんなことがあったなんて……」


当時ニュースで見たかもしれないが、すっかり忘れてしまっていた。


「この名前に見覚えないか?」


透が指さした名前を確認するとそこには上木康(カミキ ヤスシ)と書かれていた。


「上木って……もしかして照平のこと?」


上木照平(ショウヘイ)は同じクラスの生徒だ。


両親がいないらしく、施設で生活をしていると聞いたことがある。


「そうかもしれない。俺も照平の両親の名前は知らないんだ。だけど、母親を早くに亡くして、父親も同時期くらいに行方不明になったていうのは聞いたことがある」


「お父さんは亡くなってるかどうかわからないの?」


「そうみたいだ」