「話?」


「最近の隣県での行方不明事件のこと」


あたしは透の言葉を聞いてその場に座った。


「隣県の事件はあたしもよくわからない。あの悪魔山が関係しているのかどうかも……」


そう答えると、透は左右に首を振った。


「そうじゃない。今から10年くらい前、この街でも同じような行方不明事件があっただろ」


「え……」


そうだっけ?


10年前と言えばまだ7歳だった。


記憶を呼び起こしてみてもなかなか思い出せない。