透の温もりを感じていると、そのまま転寝をしてしまったようだ。


気が付くと1階から晩ご飯の匂いが漂って来ていて、あたしは慌てて飛び起きた。


「起きたか?」


横で透がそう声をかけて来る。


隣にはベッドもあるのに、あたしがそのまま眠っていたせいで、透も床に寝ていたみたいだ。


「ごめん、あたし寝ちゃって」


「別にいいって、このくらいのことで謝るな」


そう言ってあたしの頭にポンッと手を乗せる透。


「晩ご飯の準備、手伝ってくるね」


立ち上がろうとするあたしの手を、透が掴んで引き止めた。


「今日は俺の母親に任せて、もう少し話しがしたいんだ」


そう言い、透は起き上がった。