透がそう言って来たので、あたしは左右に首を振った。


「嘘つけ。真っ青な顔してるぞ」


透はそう言い、あたしの頬に手を当てた。


暖かくて落ち着く手の平の感触。


思わず、ソレのことが喉の奥まで出かかった。


言っちゃダメだ。


透に軽蔑されたくない。


そう思い、言葉を押し込めた。


「友里、もう1度聞くけど」


透があたしの手を握りしめてそう言った。


「悪魔山に行ってないよな?」


その質問を、あたしは否定することができなかったのだった。