ここ最近では1日に2~3人ずつ誰かがいなくなっているらしく、ちょっと異常な数だった。


「なにこれ、集団失踪?」


梓がそう言ってご飯を口に運ぶ。


「いなくなった人たちの共通点はないんだって。老若男女、いろんな人が忽然と姿を消してるの!」


夕夏が熱弁を振るうので、梓は戸惑っている。


「夕夏、友達がいなくなったことは心配するけど、なんでもかんでも結び付けて考えるのはよくないよ?」


あたしは冷静な口調でそう言った。


「だって……」


そう言い、口ごもる夕夏。


「友達はきっと見つかるよ。それに、あたしの叔父さんと叔母さんもね」


あたしはそう言い、ほほ笑んだのだった。