今までも透のことは好きだったし、それが恋愛感情に変わるのは簡単だった。


「叔父さんと叔母さん、本当にどうしちゃったんだろうな」


2人でテーブルを挟み、向き合って課題をしている最中透がそう言ってきた。


「さぁ……。奔放な人たちだったからね」


あたしは気のない返事をする。


しかしそれが、深刻そうな声に聞こえたようで、透はペンを置いてあたしを見た。


「きっと帰って来る。大丈夫だから」


そう言って手を握られたので心臓がドキッと大きく跳ねた。


透とは昔からの付き合いだけど、こうして手を握られた回数は少ない。