けれど、ここから車で1時間の場所へ引っ越すと、今まで通りにはいかなくなる。


電車やバスを使っての通学になると、透たちとの距離が今以上に離れてしまいそうに思えて、怖かった。


「そうか。無理はしなくていいんだからね? 叔父さんや叔母さんのことも、もう気にしなくていい。この際、うちの子になって構わないんだから」


祖父の言葉に涙が出そうになった。


でも、今更そんなことを言われても遅いのだ。


叔父と叔母はすでにこの世にいないのだから……。