直進しようとしていたバイクが、左折しようとしていたトラックにぶつかるのが見えた。


衝突音が響き渡り、唖然としてその光景を見つめる。


バイクは随分とスピードを出していたようで、ぶつかった瞬間跳ね飛ばされていた。


バイクは大きく空中へ舞い上がり、乗っていた人はそのままコンクリートの地面に打ちつけられた。


バイクはそのすぐ横に落下して、大きな音を立てて大破する。


咄嗟に後ずさりをして、その破片から逃げた。


バラバラになったバイクの破片が倒れた人の上に降り注ぐ。


その欠片の1つが鋭利な刃物のようにとがっていた。


「危ない!」


誰かが叫んだけれど、気絶している人間が動けるワケがなかった。


助けに行く暇もない。


尖った破片は運転手の腹部へと突き刺さっていたのだ。