「お腹一杯だね」


そう言って体を抱き上げ、鞄に入れる。


心なしか今朝よりも重たくなっているような気がした。


普通でも1週間で体外へ出てくるのだから、成長もすさまじく早いのかもしれない。


この子が成長したとき、あたしの願いは叶う……。


そう思うと体が震えた。


恐怖ではなく、嬉しさから。


あの生活から解き放たれる日は近いのだ。


「大事に大事に育てなきゃね……」


あたしは鞄を両腕に抱え、そう呟いたのだった。