随分と体調が良くなったあたしは、一旦教室へと戻ってきていた。


まだ授業を受けられるほどの体調ではないけれど、夕夏に聞きたいことがあったのだ。


「夕夏、ちょっといい?」


友達と談笑していた夕夏に話しかけ、廊下へと出た。


「友里、歩き回って大丈夫なの?」


夕夏も事情を知っているのだろう、あたしのことを心配してくれている。


「大丈夫。あのさ、前に妊娠した子がいるって言ってたじゃん?」


「あぁ、うん。隣の県の子のこと?」


「うん。あれから連絡とれたのかなって思って」


あの子とは連絡が取れなくなったと聞いていた。


すると夕夏は深刻そうな表情で左右に首をふった。


「まだ連絡が取れないし、家にも戻ってないみたい」


「え?」