その後、理科室を出たひなりは、そこからまっすぐ家に帰った。


手が離れた瞬間…ちょっと寂しかったな…

でも…

言えた…
やっと言えた…
先生に言えた…
ずっと言いたかったこと…
それに先生、私のこと覚えててくれた…!


家に着いたひなりは自分の部屋に入ると、あまりの嬉しさに、ベッドに思いっきりダイブした。そして、一番気に入っているぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。

この時、ひなりの頭の中は閨川が自分の存在を覚えていてくれた嬉しさでいっぱいだった。しかしそれと同時に、閨川のことを前よりもっと好きになっている自分がいる事に、まだ自覚が無かった。