「成瀬、ちょっと足診るぞ。」

ひなりの足首に、閨川の暖かい手が触れた。
ひなりの足が少し震えた。

「…軽い捻挫みたいだな…手当すれば多分大丈夫だとは思うが、心配なら病院に行くといいよ。」

そう言って、閨川はひなりの足を手当してくれた。


「…よし、これで大丈夫だよ。」

「ありがとうございます…あの、先生…!」

手当を終え、救急箱を棚に戻そうと立ち上がった閨川に、ひなりは言った。

「ん?」

「わ、私…私は…」

大丈夫…別に愛の告白をするわけじゃないんだから!大丈夫…大丈夫…勇気出して……