栄華は教室に戻りたくなくて、放課後になるまでずっと保健室で寝ていた。

放課後になると、栄華は鞄を取りに一旦教室に戻った。

ガラッ

ドアを開けると、教室に生徒は1人もいなかった。居たのは担任の閨川だけだ。

やば!ラッキー!

今までの憂鬱が一気に無くなり、栄華は教卓でパソコンを操作している閨川に近付いた。

「玲眞先生!」

呼びかけると、閨川は振り向き、

「ああ、荒野か。」

と呟いた。